【演者】 山下 暁朗 先生 (横浜市立大学 准教授)【演題】 mRNA品質管理機構の分子機構解明と疾患治療への応用
第30回システム発生・再生医学分野セミナー 日時: 令和2年1月6日(月)17:00-18:00 講演要旨:真核生物では、ナンセンス変異が存在するmRNAを積極的に分解排除することで正常なmRNAとタンパク質の発現を保証している。この現象はナンセンス変異依存性mRNA分解(NMD: nonsense-mediated mRNA decay)とよばれ、その普遍性と分子機構の解明最も進んだmRNA転写後制御機構である。近年、注目されるがん免疫療法において、がん抗原の多くがフレームシフト変異mRNA由来であることが明らかとなってきた。フレームシフトmRNAは異常終止コドンを生じ、NMDにより排除されることから、NMD阻害はがん免疫を賦活化することも期待されている。本セミナーでは、私が中心となって解明したNMDの分子機構と阻害薬スクリーニング法を紹介する。