「宇宙・マイクロRNA・エピジェネティクスから見た骨の形作り」3名の先生によるミニシンポジウム
- SystemsBioMedicine TMDU
- 2018年8月21日
- 読了時間: 2分
第25回システム発生・再生医学分野セミナー
日時: 平成30年8月20日(月)16:30-17:30
場所: M&Dタワー24階 共用セミナー室1
「宇宙・マイクロRNA・エピジェネティクスから見た骨の形作り」
演者①: 篠原 正浩 先生 (本学 システム発生・再生医学分野 講師)
演題①: 宇宙における骨量減少
講演要旨①:運動器の中心的役割を担う骨組織の恒常性維持には身体運動で生じる骨組織に対する力学的負荷が重要であり、身体不活動状態が継続すると骨量が低下して骨粗鬆症が生じる。特に宇宙における微小重力環境では骨量は速やかに減少するが、その分子メカニズムは宇宙実験という特殊性から不明な点が多い。今回、わが国初の宇宙マウス実験から明らかになりつつある分子メカニズムについて紹介したい。
Shiba D, et al. Development of new experimental platform 'MARS'-Multiple Artificial-gravity Research System-to elucidate the impacts of micro/partial gravity on mice. Sci Rep. 2017
演者②: 乾 雅史 先生 (明治大学農学部 生命科学科 動物再生システム学研究室 講師)
演題②: ゲノム編集でmicroRNAとホスト遺伝子を”切り分ける”
講演要旨②:microRNAとホスト遺伝子の機能的な関連には未解明な点が多い。ゲノム編集技術は従来法では困難だった近位の遺伝子座の改変を同時に行うことができるためこの問題に対するアプローチとして優れている。本発表ではゲノム編集によるmicroRNAとホスト遺伝子の機能解析の例としてマウス頭蓋骨形成におけるmicroRNA-140とそのホスト遺伝子WWP2の機能解析を報告する。
Inui M, el al. Dissecting the roles of miR-140 and its host gene. Nat Cell Biol. 2018
演者③: 高田 修治 先生 (国立研究開発法人国立成育医療研究センター研究所 システム発生・再生医学研究部 部長)
演題③: Dlk1-Dio3領域のインプリントを制御するIG-DMR内の機能配列の同定
講演要旨③:マウス12番染色体にはDlk1-Dio3インプリント領域が存在し、この領域内のIG-DMRと呼ばれる配列によりインプリントが制御されている。近年我々はIG-DMR内のインプリント制御に重要な配列を同定した。その結果、IG-DMR内には複数の制御配列が存在し、複雑にインプリントを制御していることが明らかとなった。IG-DMRによるインプリント制御について議論したい。
Saito T, et al. A tandem repeat array in IG-DMR is essential for imprinting of paternal allele at the domain during embryonic development. Hum Mol Genet. 2018
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