【演者①】伊藤義晃 先生【演題①】ルシフェラーゼアッセイ技術を応用したmicroRNAの標的スクリーニングおよび上流転写因子のスクリーニング【演者②】松島隆英先生【演題②】新規ルシフェラーゼ遺伝子技術
- SystemsBioMedicine TMDU
- 2018年8月3日
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プロメガテクニカルセミナー
ルシフェラーゼがレポーター遺伝子アッセイに利用されてから、様々な技術が 開発されてきました。いわゆる遺伝子発現をみるためのGenetic reporter assay に加えて、細胞内分子間相互作用、さらには抗体不要のタンパク定量といった Protein reporter assayも可能になりました。本セミナーでは、概論をお話するとともに、Genetic reporter assay および Protein reporter assay について、最新の 応用例をご紹介しました。
日時:平成31年7月31日(火)16時00分-18時00分
要旨①伊藤先生: microRNAの機能を知る上で、その標的遺伝子を同定することは必須であるが、ウェブツールによる予測、トランスクリプトーム解析などを併用した従来の手法では、3'UTRを介さない標的遺伝子や翻訳レベルで制御される標的遺伝子の同定が困難であり、改善の余地がある。我々はルシフェラーゼ遺伝子の3'UTRに約5000遺伝子の全長cDNAを挿入したレポーターライブラリーを構築し、microRNAの発現ベクターとコトランスフェクションし、ルシフェラーゼアッセイを行うことで、全長配列を介した標的遺伝子を翻訳レベルで解析するシステムを開発した。本システムを用いてがん抑制microRNAであるmiR-34aの標的遺伝子のスクリーニングを行い、既知・未知の標的遺伝子の同定に成功した。 また、下流遺伝子に比べて同定することが難しい上流遺伝子の同定法として、発現ベクターライブラリーとルシフェラーゼアッセイを組み合わせた手法を開発した。プロモーター、エンハンサーなどの制御配列を含むゲノム領域を挿入したルシフェラーゼレポーターベクターを作成し、約6000の発現ベクターライブラリーとコトランスフェクションし、ルシフェラーゼアッセイを行うことで、その制御因子を同定する手法を用いて、筋・腱に必須の転写因子であるRP58・Mkxの上流因子のスクリーニングを行った。その結果、RP58、Mkxの発現を直接上昇させる転写因子として、MyoD、Gtf2ird1をそれぞれ同定した。
要旨②松島先生: ルシフェラーゼ遺伝子を利用した発光システムはワンストップの作業で生体内の分子の作用・挙動を検出可能なパラメーター(レポーター活性)に変換する手法であり、シグナル伝達解析やバイオセンサーなどいった様々な分子生物学的解析に利用されている。我々の研究室でもルシフェラーゼ遺伝子を応用した様々なスクリーニング系を開発してきた。その中でも近年では煩雑かつ高価なELISA解析に代わるシステムとしてNanoluc/HiBIT融合タンパク質を用いたハイスループットアッセイに対応可能な分泌タンパク質の定性・定量解析システムを開発して研究に利用している。特にスプリット型Nanolucとして開発されたHiBiTタグは11アミノ酸の付加により目的タンパク質の発光定量を可能とした「極小」の発光タグであり、ゲノム編集による各遺伝子へのタグ付け(タギング)の際にも一般的に利用されているルシフェラーゼ遺伝子群と比較して利用しやすい特性がある。我々はその特性を利用してHiBiTタグ・ノックイン細胞とノックインマウスの作製をシステマティックに進め、小胞体-ゴルジ体を経由しない細胞外への細胞内タンパク質の分泌機構の解析を進めている。本発表では我々の研究成果を交えながらウエスタンブロットや免疫沈降、免疫染色といった分子生物学解析に広く利用されているFLAGなどの既存のスモールタグに取って代わる「バーサタイル(万能)タグ」としてのHiBiT技術の可能性について論ずる。
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