淺原教授が日本骨代謝学会の学術賞を受賞しました
日本骨代謝学会、学術賞は、骨代謝に関する優れた研究を行った研究者に授与される賞で、基礎系・内科臨床系・外科・歯科臨床系から各1名、計3名が選出されます。
受賞タイトル「転写からRNA階層を包括した骨・軟骨形成と代謝における遺伝子発現制御機構の解明」 骨格と運動器(Musculoskeletal System)は胎児発生期のパターン形成の解明から骨粗鬆症・関節炎といった難治疾患の治療開発まで、多くの基礎および臨床的な研究課題を内包しています。これらの課題を解決する鍵になるのが、遺伝子の中でも中心的な役割を担う“転写因子”の同定と機能解析になります。淺原教授は、発生期における全ての転写因子の4次元的な発現を解析した世界最大級のデータベースを構築、骨・軟骨・筋・腱それぞれの組織分化および極性決定に関わる遺伝子群を抽出し、世界に公開しました。またその転写因子による遺伝子発現研究においては、クロマチンの制御機構からマイクロRNAなどによるRNA階層における制御機構まで、骨格系をモデルに、より普遍的な分子生物学的課題の解決に貢献してきました。これらを研究基盤とした病態の解析においては、オリジナルのシステム医学研究の手法を開発し、また、いち早くCRISPR/Cas9やTALENを用いたマウスやラットの遺伝子編集技術を導入することで、筋・腱・骨格系を巨大な一つの複合臓器としてとらえことを可能とし、結果、今まで困難であった骨関節疾患病態の解明を飛躍的に進めることができました。現在、これらの研究成果を応用した次世代の治療法の開発が進行中です。