top of page

研究内容紹介

Ⅰ.  全ての転写因子1600遺伝子の発現をマウス 9.5日, 10.5日, 11.5日胚の3ステージでホールマウントインサイチューハイブリタイゼーションを行い、そのデータを集積した世界初のデータベースとなるEMBRYS (http://embrys.jp) を構築し、脳、手足をはじめとする体中の臓器をつくる遺伝子グループをつきとめることに成功。このデータベースは人類共通の財産として、インターネットを通して無償で世界の研究者に公開され、子供の先天性疾患の原因遺伝子の発見や、次世代iPS細胞・再生医療の開発に必須の情報として貢献することが期待されている。
 
  1. Sato T, et al.Yamashita S, et al. Sci Rep. 2019

  2. Mochizuki Y, et al. Dev Cell. 2018 

  3. Yokoyama S, et al. PLoS One. 2017 

  4. Hasei J, et al. Sci Rep. 2017

  5. Naito M, et al. PLoS Genetics. 2016

  6. Miyata K, et al. Hum Mol Genet. 2015

  7. Shimizu H, et al. PLoS One. 2013 

  8. Uchibe K, et al. Dev Dyn. 2012 

  9. Ito Y, et al. Comp Funct Genomics. 2012

  10. Yokoyama S, et al. Dev Cell. 2009

Ⅱ.   近年、タンパクをコードしない20-30 塩基ほどの小さなRNA、miRNA (microRNA) が発見されその生理学的機能および疾患における重要な機能が解析されてきている。我々は関節炎の病態において、炎症を収束制御するmiR-146と、軟骨組織のホメオスタシスを高めるmiR-140の分子機能を明らかにした。今後は、細胞レベルでの遺伝子発現スクリーニングや、次世代シーククエンサーで得られた興味深いmiRNAおよびRNA結合タンパクについて、TALEN技術の導入によりノックアウトマウス作成をハイスループットに行いながら炎症を制御するmiRNAの遺伝子発現ネットワークを明らかにしてゆく。関節リウマチなどの慢性炎症疾患研究への応用につなげたい。
 
  1. Sato T, et al. eLife. 2020

  2. Mokuda S, et al. Nat Commun. 2019 

  3. Inui M, et al. Nat Cell Biol. 2018 

  4. Yoshitaka T, et al. J Orthop Res. 2013

  5. Gibson G, et al. J Orthop Res. 2013

  6. Miyaki S,et al. Nat Rev Rheumatol. 2012 

  7. Yamashita S, et al. J Biol Chem. 2012 

  8. Miyaki S, et al. Genes Dev. 2010 

  9. Miyaki S, et al. Arthritis Rheum. 2009

  10. Nakasa T, et al. Arthritis Rheum. 2008

Ⅲ.再生医療研究や、癌、アレルギー疾患、先天性疾患などの病態研究において、関連遺伝子の発現調節および機能の網羅的な解析を行う。当研究室では、ロボットシステムを導入し、細胞ベースのハイスループット遺伝子機能スクリーニングを行っている。全ヒト遺伝子2千万個の遺伝子を個々に細胞に導入した遺伝子解析により、発生分化および各種疾患に関わる遺伝子を高速かつ確実にスクリーニングしていく。
 
  1. Mitsumura T, et al. Blood Adv. 2018 

  2. Ito Y, et al. 2017 

  3. Mochizuki Y, et al. Dev Cell. 2018

  4. Gibson G, et al. J Orthop Res. 2013

  5. Asada M, et al. Lab Invest. 2011

Ⅳ.   骨と筋肉を繋ぐ腱、骨と骨を繋ぐ靭帯は、運動機能に重要な組織にも関わらず、腱・靭帯関連疾患の治療法開発の基盤となる形成メカニズムについては、よく分かっていない。我々は、EMBRYSにより、腱・靭帯特異的に発現する Mkx を同定し、このMkx が腱の形成に重要な働きをしていることをノックアウトマウスの解析により明らかにした。この Mkx を起点とした腱・靭帯研究により、腱・靭帯疾患の病因解明や再生医療などの疾患治療法開発に大きく貢献できることが期待できる。
 
  1. Kataoka K, et al. 
    Frontiers in Cell and Developmental Biology. 2020

  2. Gracey E, et al. Nat Rev Rheumatol. 2020

  3. Nakamichi R, et al. JOR Spine. 2020

  4. Asahara H, et al.   JBMR.  2017 

  5. Koda N, et al. Development.  2017 

  6. Nakamichi R, et al.  Nat Commun. 2016 

  7. Suzuki H, et al. Proc Natl Acad Sci U S A. 2016 

  8. Kayama et al. Mol Cell Biol. 2016 

  9. Otabe K, et al. J Orthop Res. 2015

  10. Onizuka N, et al. J Orthop Sci. 2014 

  11. Nakahara H, et al. Arthritis Rheum. 2013

  12. Ito Y, et al. Proc Natl Acad Sci U S A. 2010 

V. Y染色体は精子形成において重要な役割を担っていると考えられているが、その構造上の特殊性から、従来の相同組み換えを用いた方法ではノックアウトマウスの作製が困難であり、個々の遺伝子機能解析が十分に進んでいない。我々は近年注目されているゲノム編集技術であるTALENやCRISPR/Cas9 systemを用いてマウスY染色体遺伝子のノックアウトマウスの作製を行いこれらの遺伝子が性分化や生殖に関わる機能の解析をしている。
  1. Yano Y, et al. Frontiers in Genetics. 2020 

  2. Nakasuji T, et al. PLoS Genetics. 2017 

  3. Matsubara Y, et al. Stem Cells Dev. 2015 

  4. Kato T, et al. Sci Rep. 2013 

bottom of page